ビジネス日本語 – 「申す・申し上げる」「存じる・存じ上げる」は何が違う?

目次
1. 「申す・存じる」と「申し上げる・存じ上げる」の違い
2. 敬語の種類
3. 謙譲語
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「申す・存じる」と「申し上げる・存じ上げる」はそれぞれ何が違いますか?
A: これらは『謙譲語』という敬語表現です。しかし「申す・存じる」と「申し上げる・存じ上げる」では謙譲語の種類が異なります。
敬語の種類
敬語は大きく分けると【①尊敬語 ②謙譲語 ③丁寧語】の3つ、さらに【①尊敬語 ②謙譲語Ⅰ ③謙譲語Ⅱ(丁重語)④丁寧語 ⑤美化語】の5つに分類されます。


敬語の種類については
この記事で詳しく説明しているので
気になる人は読んでみてくださいね。
謙譲語
敬語の種類はいろいろありますが、ここでは「謙譲語」のみ取り上げます。
謙譲語とは「謙る」という意味があります。「謙る」とは自分を低い立場に置き、相手に敬意を示すことです。
このような言葉がある背景には、日本が古くから社会的な階級制度を重んじ、上下関係を意識してきたことがあります。
かつては身分差を強調するために使われましたが、現代では謙譲語を用いることで相手に敬意を示し、良好なコミュニケーションを図る手段として活用されています。
[謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱの基本的な違い]
・謙譲語Ⅰ:「申し上げる」「存じ上げる」
話し手が「相手のために何かをする」ことを強調する表現です。
行動が相手に向かい、より積極的に敬意を示す役割を持ちます。
・謙譲語Ⅱ(丁重語):「申す」「存じる」
話し手が「自身の行為や状態」を控えめに述べる表現です。
相手に対する直接的な働きかけではなく、丁寧さを保ちながら事実を述べる形です。
[「申す」と「申し上げる」の違い]
・申し上げる = 言う(謙譲語Ⅰ)
話し手が相手のために何かを述べる場合に使用します。
相手への敬意がより強調されます。
[例]
心よりお礼ます。
I sincerely express my gratitude.
⇒ 「お礼
深
I deeply apologize.
⇒ 「お詫
・申
自分
話
[例
私
I am Suzuki.
⇒ 自分
この件
I mentioned this matter myself.
⇒ 自分
違
[「存ぞん じる」と「存ぞん じ上あ げる」の違ちが い]
・存
話
主
[例
鈴木
I have known about Mr. Suzuki for some time.
⇒ 相手
貴社
I have been aware of your company’s manager’s name.
⇒ 部長
・存
自分
相手
[例
その件
I am aware of that matter.
⇒ 「知
鈴木
I was not aware of Mr. Suzuki’s opinion.
⇒ 自分
違
比くら べてみよう
次
[例
こちらの電話
この場合
では、次
[例
私
正解
この場合
まとめ
- 「申
もう し上あ げる」と「存ぞん じ上あ げる」は謙譲けんじょう 語ご Ⅰ、「申もう す」と「存ぞん じる」は謙譲けんじょう 語ご Ⅱ(丁重ていちょう 型かた )にあたり、それぞれ、使用しよう される状況じょうきょう や相手あいて に対たい する敬意けいい の強つよ さに違ちが いがある。 - 謙譲
けんじょう 語ご Ⅱは、話はな し手て の行為こうい が対象たいしょう に向む けられ、対象たいしょう が単たん にその行為こうい を聞き いている状況じょうきょう で使用しよう される。 - 謙譲
けんじょう 語ご Ⅰは、話はな し手て が対象たいしょう のために行おこな う行為こうい を控ひか えめに表現ひょうげん し、相手あいて に対たい する敬意けいい をより強つよ く示しめ す役割やくわり を果は たす。
クイズ
次つぎ の文ぶん を読よ んで、( )から文脈ぶんみゃく に合あ った表現ひょうげん を選えら んでください。
問題
A. 存
Bのほうがよろしいかと存
I believe option B would be better.
*自分
A. 申
ご迷惑
I deeply apologize for causing you trouble.
*相手
A. 申
「お名前 「田中
“What is your name?”
“My name is Tanaka.”
*「田中
A.存
山田
I am aware of Mr. Yamada, but I have never met him in person.
*相手
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