JLPT N5文法 – 助詞「を」の使い方
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目次
1. 「を」の使い方
2. 「を」の基本的な役割
3. 対象
4. 起点
5. 経過域
6.「を」が使えないとき
7. まとめ
8. クイズ
9. 関連記事
10. コメント
Q: 「を」の使い方を教えて欲しいです
A: 日本語には助詞が多く、特に「を」の使い方に悩む人も多いのではないでしょうか。ここでは助詞「を」の役割と使い方を具体的に解説します。
「を」の基本的な役割
助詞「を」は、主に以下の3つの場面で使われます:
- 対象(動作の対象を示す)
- 起点(出発や離れる場所を示す)
- 経過域(移動する際に通過する場所を示す)
それぞれの役割について、具体例を交えながら解説していきます。
対象
動作・作用が他に働きかける動詞(他動詞)の対象となるものを「目的語」といい、これを表す助詞として「を」が使われます。
[主な他動詞]
飲む、聞く、書く、読む
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[例]
りんごを食べます。
I eat an apple.
→ 「食べる」という動作の対象物は「りんご」です。
「を」は動作の対象を明確にするための助詞です。手段や道具を示す「で」と混同しやすいので注意しましょう。
[例]
手でりんごを食べます。
I eat an apple with my hands.
→ 「手」は動作のための道具を示すため「で」を使います。
カフェでコーヒーを飲みます。
I drink coffee at a café.
→ 「カフェ」は動作が行われる場所を示すため「で」を使います。
起点
「を」は、動作や移動の出発点や離れる場所を表す際に使われます。
[主な動詞]
出る、退職する、卒業する、出発する、下りる、離れる
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[例]
家を出ます。
I leave the house.
→ 「離れる場所」は「家」です。
「を」は動作が始まる場所(起点)を表します。一方で、移動先や目的地を表す場合には「に」を使います。
[比較]
家を出ます。(起点)
I leave the house (starting point).
家に入ります。(着点)
I enter the house (destination).
経過域
移動中に通過する場所や領域を表すとき、「を」が使われます。
[主な移動動詞]
通る、曲がる、過ぎる、歩く、走る、飛ぶ
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[例]
車が道を走っています。
→ 「車が移動中に通る通過点」は「道」です。
「を」は移動の通過地点を示します。これに対して、「に」は移動の到着点(着点)を表します。
[比較]
道を走ります。(通過域)
I run along the road (passing area).
スーパーに行きます。(着点)
I go to the supermarket (destination).
「を」が使えないとき
[動詞「わかる」の例]
「わたしは日本語をわかります。」という文は正しくありません。
「を」が使えない理由は以下の通りです:
①「わかる」は自動詞
→ 他動詞のように目的語に直接働きかけることができないため、「を」は使えません。
②「は・が構文」のルール
→ 「わたしは日本語がわかります」の文型は、「わたし(主題)」+「日本語(主語)」+「わかる(述語)」という構造です。このような構文では、主語を表す「が」が使われます。
まとめ
「を」は以下の3つの場面で使われます:
- 対象(動作が及ぶ対象)
- 起点(動作が始まる場所)
- 経過域(移動中の通過地点)
動詞「わかる」のような自動詞では、「を」を使うことはできません。自動詞の文では「は・が構文」のルールに従います。
クイズ
次の文で適切な助詞を選びましょう。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. を
よく日本のマンガを読みます。
I often read Japanese manga.
*「読む」は他動詞で、動作の対象を表すため「を」が正解です。
A. を
新宿駅で電車を下りました。
I got off the train at Shinjuku Station.
*「下りる」は起点を表すため「を」が正解です。
A. に
昨日電車で東京駅に行きました。
Yesterday, I went to Tokyo Station by train.
* 「行く」は到着点を表すため「に」が正解です。
A. を
鳥が空を飛んでいます。
A bird is flying through the sky.
*「飛ぶ」は移動を伴う動詞で、経過する場所を表すため「を」が正解です。
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