「この日本語、ちょっと変?」違和感を避ける言い回しのコツ

目次
1. 違和感を避ける言い回しのコツ
2. 泳ぎしましょう
3. 頭痛が痛い
4. コーヒーを作る
5. 雨が降り終わる
6. まとめ
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8. コメント
違和感を避ける言い回しのコツ
学習者の皆さんから、「なぜ〇〇の表現は使えないのか」という質問をいくつかいただきました。
どの言語にも表現や慣用句として定着したものや、言葉の組み合わせによって制限されるものがあります。日本語も例外ではありません。
そのため、誤った使い方をすると、不自然に聞こえてしまうことがあります。そうした違和感を避けるために、どのように言えば自然なのかを一緒に考えていきましょう。
泳ぎしましょう
質問:「泳ぎ」は名詞ですが、どうして「泳ぎする・泳ぎしましょう」と言えませんか。
まず「名詞+する」の名詞について考えてみましょう。
例えば「宿題・勉強・テニス・花見・運動」などはその名詞が動作を表します。しかしこれだけでは動詞としての働きがないので、する動詞を補わなければなりません。
一方で「泳ぎ」は「泳ぐ」という動詞をもっていて、それ自体が十分に動詞として表現されているので「泳ぐ・泳ぎましょう」が一般的な使い方です。
頭痛が痛い
質問: 「頭痛が痛い」のように同じ意味の言葉(この場合、「痛」)を重ねてはいけないのに、「歌を歌う」や「踊りを踊る」はどうしていいんですか?
これは、「頭痛」自体に「頭が痛い」という意味を含むため、「頭が痛いが痛い」と言っているのと同じことになります。そのため、「頭痛がする」という表現が使われます。
一方、「歌」や「踊り」自体は名詞であり、動詞的な意味をもちません。そのため、「歌」を「聞く・歌う・まねする」などの動詞と組み合わせる必要があります。「歌う・踊る」は名詞と動詞の関係であり、同じ漢字が使われていますが、二重の意味にはなりません。
コーヒーを作る
質問: なぜ日本語で「コーヒーを作る」と言えないんですか?
日本語の「作る」の意味は「材料・原料・素材などを使って手を加え、形のあるものを作る」です。
例えば、コーヒーと同じような飲料で言うと「酒を造る」と言えますが、これは「原料から過程を経て酒になる」ことを表しています。そのため、「コーヒーを作る」では意味が不一致になってしまいます。
日本語では「作る」ではなく、「いれる(淹れる)」が適切な表現として使われます。
元々「お茶をいれる」という表現があり、「いれる」には「茶葉に湯を注いでお茶を作る」という意味があります。コーヒーは茶葉ではありませんが、湯を注いで作る点が共通しているため、「コーヒーをいれる」のほうが自然な表現となります。
雨が降り終わる
質問: なぜ「雨が降り終わる」はだめですか?
「動詞の語幹+終わる」には、「始まりと終わりのある継続する動作が終わる」という意味があります。
例えば、「ご飯を食べ終わる」の「食べる」という動作は、始まりと終わりがあり、その行為は人の意思によってコントロールできます。
しかし、雨については、いつ降り始め、いつ降り終わるのかを人がコントロールすることはできません。そのため、「終わる」ではなく、自然現象が一時的に止まることを表す「止む」が適切な動詞となります。「雨が降り止む」であれば、自然な言い方としてよく使われます。
まとめ
いかがでしたか?言語には、表現や慣用句として定着した言い回しが数多く存在し、それを変形することは難しいものです。日本語も例外ではなく、自然な表現には独特のルールや使い方があります。
皆さんも、「これって正しいのかな?」と感じる日本語の表現や、疑問に思った言い回しがあれば、ぜひ下のコメント欄で教えてください!疑問をシェアして、自然な日本語を一緒に学んでいきましょう。