「いいですね」と「よかったですね」の使い分け

目次
1. 「いいですね」と「よかったですね」は使い分ける?
2. いいですね
3. よかったですね
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「いいですね」と「よかったですね」は使い分ける必要がありますか?
A: どちらも相手の話に対して肯定的な反応をする表現ですが、使い方に少し違いがあります。
いいですね
今聞いた提案や、未来のことやまだ実現していない情報に対して「良い・素晴らしい」など肯定的な反応を示すときに使われます。
また提案に対しては使うときは「賛成である」という意味合いをもちます。
[例]
A「来月、北海道へ行くんです。」(情報)
B「それはいいですね!」
A: “I’m going to Hokkaido next month.” (Information)
B: “That sounds great!”
⇒「これから北海道へ行く」ということを聞いて、肯定的に反応しています。
A「パーティーの場所、このレストランはどうですか。」(提案)
B「いいですね。」
A: “How about this restaurant for the party venue?” (Proposal)
B: “Sounds good.”
⇒ 提案されたレストランに賛成するということです。
よかったですね
相手の体験・経験やすでに起こったことに対して、肯定的な反応を示すときに使われます。
「良い結果でしたね・そのことを聞けてうれしい」というような気持ちを表します。また、相手がうれしそうにしていたり喜んだりしているときに、それに共感するニュアンスがあります。
[例]
A「先月、北海道に行ったんです。」
B「それはよかったですね!」
A: “I went to Hokkaido last month.”
B: “That’s wonderful!”
⇒ 北海道に行った出来事はすでに起きたことです。
A「先月、孫が生まれたんですよ。」
B「それはよかったですね!」
A: “My grandchild was born last month.”
B: “That’s wonderful!”
⇒「孫が生まれた」ということを聞けて、うれしいという共感の気持ちを表しています。
比べてみよう
では、次のような場合、どちらがふさわしいと思いますか。
[例]
A「来月からチームのマネージャーになります。」
A: “I’ll become the team manager starting next month.”
B「それはいいですね!」VS「それはよかったですね!」
正解は「それはよかったですね!」です。
基本的に「いいですね」は未来のことやまだ実現していないこと、「よかったですね」はすでに起こった事実や出来事などに使われます。
‘マネージャーになる’のは来月ですが、もうすでに決まった事実または結果であることと、相手の昇格を一緒に喜ぶ気持ちがあるので「よかったですね」がよりふさわしいです。
まとめ
[いいですね]
- 未来のことやまだ実現していないことに使われる。
- 今聞いた提案や情報に対して「良い・素晴らしい」など肯定的な反応を示す。
- 提案に対しては使うときは「賛成である」という意味合いをもつ。
[よかったですね]
- 過去の出来事やすでに起こった事実などに使われる。
- 「良い結果でしたね・そのことを聞けてうれしい」というような気持ちを表す。
- 相手がうれしそうにしていたり喜んだりしているときに、それに共感するニュアンスがある。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. いいですね
山田:「今度、温泉に行こうと思ってるんです。」
田中:「へえ、それはいいですね!」
Yamada: “I’m planning to go to a hot spring soon.”
Tanaka: “Oh, that sounds great.”
*山田さんは未来の話をしているので「いいですね」がふさわしいです。
A. よかったですね
山田:「N1に合格しました!」
田中:「おめでとうございます!よかったですね!」
Yamada: “I passed the N1 exam!”
Tanaka: “Congratulations! That’s wonderful!”
*山田さんがJLPTに受かった喜びに共感を示しているので「よかったですね」がふさわしいです。
A. よかったですね
山田:「ついにこの商品が発売できることになりました。」
田中:「よかったですね!」
Yamada: “Finally, this product is ready to launch!”
Tanaka: “That’s wonderful!”
*「商品の発売」は決まった事実なので「よかったですね」がふさわしいです。
A. いいですね
山田:「社長、次の会議の資料はこれでどうでしょうか。」
社長:「いいですね。これを使いましょう。」
Yamada: “President, how about this material for the next meeting?”
President: “Sounds good. Let’s use it.”
*提案に対して賛成を示しているので「いいですね」がふさわしいです。