ビジネス日本語 – 「認可」と「認証」の違い
目次
1. 「認可」と「認証」の違い
2. 認可
3. 認証
4. まとめ
5. クイズ
6. 関連記事
7. コメント
Q:「認可」と「認証」の違いを教えてください。
A: この2つはよく似た言葉ですが、「認可」は行政機関が条件を満たした個人や組織に法律上の権利を与えること、「認証」は本人確認やシステムでのアイデンティティ確認を指します。詳しく見てみましょう。
認可
「認可」は、個人や会社などの組織が国に認められたある事柄について「実行できるかどうか」がポイントです。
例えば、教育機関であれば、行政機関が定める授業時間や教師の配置など、法律で定められた基準を満たしているかどうかが重要です。その条件を満たしたうえで必要な手続きを行い、行政機関が認めることで、正式に権利が与えられます。そして、それが法律上有効になることを「認可」と呼びます。
この言葉は「する動詞」として使われるほか、「下りる／下りない」という動詞とよく一緒に使われ、「許可された」という意味合いを持ちます。
[例]
国は新しい事業を認可するべきか悩んでいるようです。
The government seems to be debating whether they should authorize the new business.
国から認可が下りました。
Authorization was granted by the government.
行政から認可が下りなかったが、何が問題だったのでしょうか。
Authorization was not granted by the administration, but what was the issue?
認証
一方、「認証」とは「あなたは誰であるか」という点がポイントです。
例えば、銀行で本人確認をする際には運転免許証などが必要になります。その人が正式に本人であると確認されることを「認証」といいます。
最近では、コンピューターやネットワークシステムを利用する際にも頻繁に使われる言葉です。
例えば、近年の携帯電話（スマートフォン）では、指紋や顔認証を利用して、携帯電話の持ち主であることを確認する仕組みがあります。これも「認証」と呼ばれます。
この言葉も同じく「する動詞」です。よく一緒に使われる言葉には「指紋」「顔」「本人」などがあります。
[例]
ここに指を置いて指紋で認証してください。
Please place your finger here to authenticate with your fingerprint.
わたしのマンションでは、顔認証で本人確認ができます。
In my apartment, facial recognition is used for identity verification.
まとめ
[認可]
- 個人や会社などの組織が国の認めているある事柄に対して、条件を満たしたうえで行政機関に認められ法律上その権利が与えられること。
[認証]
- 公の機関による本人確認。証明書などを使ってその人が正式に本人だと確認ができること。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 認可
国から正式に認可されたので新しい事業を始めます。
Since it was officially authorized by the government, I am starting a new business.
*「国」から許可をもらうことなので「認可」がふさわしいです。
A. 認証
何度やっても本人だと認証されませんでした。
No matter how many times I tried, I couldn’t be authenticated as the correct person.
*「本人」の確認なので「認証」がふさわしいです。
A. 認証
最近のスマホは顔でも指紋でも認証できてすごいですね。
Modern smartphones are amazing because they can authenticate users with both facial recognition and fingerprints.
*スマホの所有者「本人」かの確認なので「認証」がふさわしいです。
A. 認可
行政に書類を申請したので認可が下りるまで待たなければなりません。
I submitted the documents to the administration and must wait until authorization is granted.
*「行政」からの許可をもらうということなので「認可」がふさわしいです。
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