JLPT N5語彙 「そして」と「それから」の違い
目次
1. 「そして」と「それから」の違い
2. どちらでもいい場合
3. そして
4. それから
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q: 接続詞の「そして」と「それから」は同じ意味ですか?
A:「そして」と「それから」は連続した出来事や複数の事柄を並べるときに使われますが、「そして」は緩やかに関連を示す、対比や関連する内容を述べる際に適しています。一方、「それから」は出来事の起点や条件に重点を置いて、必須の順序や連続性を強調します。詳しく見てみましょう。
どちらでもいい場合
次の2点について述べる場合はどちらを使っても意味に大きな違いはありませんが、「そして」のほうがゆるやかに文は結ばれます。
①連続した時間で起きた出来事をつなぐ
[例]
コンビニへ行きました。そして家へ帰りました。
I went to the convenience store. Then I went home.
コンビニへ行きました。それから家へ帰りました。
I went to the convenience store. After that, I went home.
コーヒーを飲みました。そして本を読みました。
I drank coffee. Then I read a book.
コーヒーを飲みました。それから本を読みました。
I drank coffee. After that, I read a book.
②いくつかの事柄や物事を並べる場合
[例]
日本はきれいです。そして物価が安いです。
Japan is beautiful. And it has low prices.
日本はきれいです。それから物価が安いです。
Japan is beautiful. Also, it has low prices.
マリアさんは背が高いです。そして美人です。
Maria is tall. And she is beautiful.
マリアさんは背が高いです。それから美人です。
Maria is tall. Additionally, she is beautiful.
そして (JLPT N5)
①二つのことが同じ状況や扱いで対比される場合
[例]
朝はパン、そして夜はごはんを食べます。
I eat bread in the morning, and rice at night.
⇒ 朝と夜で食べるものを対比しているので「そして」が使われます。
春はさくら、そして夏は花火。日本の四季はおもしろいです。
In spring, it’s cherry blossoms, and in summer, it’s fireworks. Japan’s four seasons are fascinating.
⇒ 日本の四季のうち春と夏を対比しています。
②前のことに関連した内容を述べる場合
[例]
今月は送別会、そして来月は歓迎会を開く予定です。
This month, we’ll have a farewell party, and next month we’re planning to hold a welcome party.
⇒「今月」に関連して「来月」のことを続けているので「そして」が使われます。
今日は打ち合わせ、そして明日はプロジェクトの発表があります。
Today is a meeting, and tomorrow there will be a project presentation.
⇒ 仕事に関することを二つ続けて話しているので、「そして」が使われます。
それから (JLPT N5)
①一つ目の出来事を起点にして、ある出来事が起こった場合
[例]
子供のときに大きい犬に吠えられたんです。それから犬が怖くなりました。
When I was a child, a big dog barked at me. Since then, I’ve been afraid of dogs.
⇒「子供のとき」に起きたことが起点となっているので「それから」が使われます。
またこのような場合、「それから」は「それ以来」と同じ意味になります。
②二つ目の行動のために一つ目の行動を必ずしなければいけない場合
[例]
財布にお金がないので銀行へ行きます、それから買い物します。
I don’t have any money in my wallet, so I’ll go to the bank, and then I’ll go shopping.
⇒ 財布にお金がないと買い物ができません。そのため銀行でお金を出すことが必要な状況になるので、「それから」が使われます。
③続けて関連した情報を追加する場合
[例]
スーパーでパンと牛乳を買ってきてね。それからヨーグルトも。
Please buy bread and milk at the supermarket. And yogurt, too.
⇒ 買い物を述べて情報を付け足しているので「それから」が使われます。
④二つ以上の事柄を時系列に並べ、最後のことを述べる場合
[例]
こちらのコースはまずは前菜、メインディッシュ、それからデザートをお出ししております。
In this course, we first serve an appetizer, followed by the main dish, and then dessert.
⇒ デザートはコースの一番最後に出されるということなので「それから」が使われます。
まとめ
- 連続した時間で起きた出来事、いくつかの事柄や物事を並べる場合は「そして/それから」のどちらを使ってもかまわない。ただし「そして」のほうがゆるやかな結び方である。
[そして]
- ①二つの事柄を同じ状況や扱いで対比する場合
- ②前のことに関連した内容を述べる場合に使われる。
[それから]
- ①一つ目の出来事を起点である出来事が起こった場合
- ②二つ目の行動のために一つ目の行動を必ずしなければいけない場合
- ③続けて関連した情報の追加する場合
- ④二つ以上の事柄を時系列に並べ、最後のことを述べる場合に使われる。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. そして
昼は買い物、そして夜は食事しました。
I went shopping in the afternoon, and then had dinner in the evening.
*昼と夜にしたことを対比しているので「そして」が正解です。
A. それから
子供のときに日本のアニメを見ました。それから日本に興味をもちました。
I watched Japanese anime as a child. After that, I became interested in Japan.
*「子供のときに日本のアニメを見て、それ以来...」ということなので「それから」が正解です。
A. どちらでも良い
昨日は8時に家に帰りました。そしてゆっくりしました。
昨日は8時に家に帰りました。それからゆっくりしました。
Yesterday, I got home at 8:00. Then I relaxed.
Yesterday, I got home at 8:00. After that, I relaxed.
*連続した出来事を並べているのでどちらも正解です。
A. それから
まずこのボタンを押して、次にこのボタンを押します。それから最後に「OK」のボタンを押してくださいね。
First, press this button, then press the next one. After that, press the ‘OK’ button.
*時系列順で最後の事柄なので「それから」が正解です。
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