JLPT N4 文法 「〜ばいい」と「〜ほうがいい」の違い

目次
1. 「〜ばいい」と「〜ほうがいい」の違い
2. 〜ばいい
3. 〜ほうがいい
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「〜ばいい」と「〜ほうがいい」の意味に違いはありますか?
A: 2つとも相手に対して何かを勧めたり、提案をする場合に使われますが、話し手の気持ちに違いがあります。
〜ばいい (JLPT N4)
[意味]
① 控えめな提案やアドバイスをする
② 軽い助言を求める
[ルール]
[V] 動詞条件形(ば)+いい
[例]
この道をまっすぐ行けばいいですよ。(①)
You can just go straight on this road.
要らないものは捨てればいいですよ。(①)
Just throw away anything you don’t need.
財布をなくしたんですが、どうすればいいですか。(②)
I lost my wallet; what should I do?
これの使い方がわからないのですが、誰に聞けばいいですか。(②)
I don’t know how to use this. Who should I ask?
相手に「勧め・提案・助言」などを控えめにするときは「〜ばいい」を使います。
[例]
わからないことがあったら、先輩に聞けばいいよ。
If there’s something you don’t understand, just ask your senior.
そして相手に軽く助言を求めるときもするときも「〜ばいい」を使います。
[例]
A「すみません、駅へはこの道をまっすぐ行けばいいですか」
B「あ、ここですね。はい、この道をまっすぐ行けばいいですよ」
A: “Excuse me, to get to the station, should I just go straight on this road?”
B: “Ah, yes, here. Just go straight on this road.”
〜ほうがいい (JLPT N4)
[意味]
① 確実な助言や強めの提案をする
② 確実性の高い助言を求める
[ルール]
[V] 動詞た形+ほうがいい
動詞ない形+ほうがいい
[例]
今日は傘を持っていったほうがいいよ。(①)
You should take an umbrella with you today.
ここでは大きな声で話さないほうがいいよ。(①)
It’s better not to speak loudly here.
頭がいたいなら、病院に行ったほうがいいですよ。(①)
If you have a headache, you should go to the hospital.
会議の前に、資料をもう一度チェックしておいたほうがいいですか?(②)
Should I check the materials one more time before the meeting?
「〜ほうがいい」も「〜ばいい」と同じく勧めや提案として使われますが、話し手が相手に対して「そうすることが望ましい」という気持ちが強くなります。
[例]
今日は雨が降りそうだから、傘を持っていったほうがいいよ。
It looks like it might rain today, so you should bring an umbrella.
⇒ 雨が降ることを心配して、傘を持っていくことを強く勧めています。
A「すみません、駅へはこの道をまっすぐ行けばいいですか」
B「この道じゃなくてあの道から行ったほうがいいですよ」
A: “Excuse me, to get to the station, should I just go straight on this road?”
B: “It’s better to go that way instead of this road.”
⇒ ‘あの道’から行くほうが駅へ行ける確実性があがることを強調しています。
比べてみよう
では、次のような場合、どちらがふさわしいですか。
[例]
わからないことがあったら、先輩に聞けばいいよ。
If there’s something you don’t understand, you can just ask your senior.
VS
わからないことがあったら、先輩に聞いたほうがいいよ。
If there’s something you don’t understand, it’s better to ask your senior.
正解はどちらもふさわしいですが、やはり話し手の気持ちに違いがあります。
「〜ばいい」だと話し手にとって軽いアドバイスで強制力も低くなります。
それに対して「〜ほうがいい」はより強いアドバイスとなり、相手にその気持ちも伝わりやすくなります。
疑問形として使う場合も同じで、より確実性の高い助言を求めるときにはこちらが使われます。
[例]
A「この説明ついては、部長に確認したほうがいいですか。」
B「そうですね。そのほうがいいです。」
A: “Should I check with the manager about this explanation?”
B: “Yes, that would be best.”
もう一つ、チャレンジしてみましょう。
[例]
今日は寒くなりそうだから、コートを持っていったほうがいいよ。
It looks like it might get cold today, so you should bring a coat.
VS
今日は寒くなりそうだから、コートを持っていけばいいよ。
It looks like it might get cold today, so just bring a coat.
正解は「〜ほうがいい」です。
話し手は気温の低下を想定しているため、コートを持っていくことを強く勧めています。ここで話し手の意識は「相手が寒さ対策をしておくこと」の重要性にあります。
まとめ
[~ばいい]
- 相手に控えめに何かを勧めたり提案したりするときに使われる。
- 相手に軽く助言を求めるときにも使える。
[~ほうがいい]
- ある状況を想定した上で、相手に「そうすることが望ましい」という気持ちがあり、相手がそれを実行することを意識している。
- 確実性の高い助言などを求めるときにも使える。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 寝たほうがいい
風邪をひいたときは早く寝たほうがいいよ。
When you have a cold, it’s best to go to bed early.
*相手が風邪をひいたことに対して早く寝ることを強くアドバイスしているので、「寝たほうがいい」がふさわしいです。「早く寝ることで確実に元気になる」という話し手の気持ちがあります。
A. 見ればいい
パソコンの使い方はこの本を見ればいいですよ。
You can just look up how to use the computer in this book.
*使い方に関することを軽く助言しているので「見ればいい」がふさわしいです。
A. 着ていったほうがいい
寒いからコートを着ていったほうがいいよ。
It’s cold, so you should wear a coat.
*寒いことで相手を思ってアドバイスしているので「着ていったほうがいい」がふさわしいです。「コートを着ることできっとあたたかくなるだろう」という話し手の気持ちがあります。
A. 使えばいいです
まだあなたのロッカーがないから、とりあえずここを使えばいいですよ。
You don’t have a locker yet, so for now, you can just use this one.
*「とりあえず」という言葉があるので軽い提案だと考えられます。「使えばいいです」がふさわしいです。
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