JLPT N3文法「〜ごとに」と「〜たびに」の違い

目次
1. 「〜ごとに」と「〜たびに」の違い
2. ごとに
3. たびに
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「〜ごとに」と「〜たびに」の違いは何ですか?
A: この2つは繰り返されるある行為を言いたいときに使われます。意味には特に違いがないとされていますが、文脈によって不自然に聞こえるときがあります。ポイントを知って自然な使い方ができるようになりましょう。
〜ごとに (JLPT N3)
[意味]
①~に一度
②~それぞれ
[ルール]
[V] 動詞辞書形+ごとに
[N] 名詞+ごとに
[単位+ごとに]
時間や距離を表す単位と使うときには必ず「ごとに」が使われます。
[例]
コンビニが500mごとにあります。
There is a convenience store every 500 meters.
オリンピックは4年ごとに開催されます。
The Olympics are held every four years.
[名詞+ごとに]
「会社・国」など一つのグループやまとまりを表す言葉と使われる場合には「それぞれの」と同じ意味になります。
[例]
クラスごとにアンケートを書いてもらいました。
I had each class fill out a questionnaire.
⇒「それぞれのクラス」という意味になります。
グループごとに練習をしましょう。
Let’s practice in groups.
⇒「それぞれのグループで」という意味にです。

「ごと」と「おき」の違いを知りたい方は
こちらの記事を読んでくださいね。
〜たびに (JLPT N3)
[意味]
何かが起こるたびに毎回同じことが起こる
[ルール]
[V] 動詞辞書形+たびに
[N] 名詞+の+たびに
[例]
この写真を見るたびに子供のころを思い出します。
Every time I look at this photo, I remember my childhood.
[名詞+の+たびに]
休みや天災など、定期的もしくは不定期的に起こることを表す言葉には必ず「たびに」が使われ、客観的なニュアンスのものを表します。
休みのたびに家族と公園へ行っています。
Every time I have a day off, I go to the park with my family.
この選手はまだ若いですが、オリンピックのたびに注目されています。
This athlete is still young, but they receive attention every time the Olympics are held.
地震のたびにもうこの町から引っ越そうか考えています。
Every time there is an earthquake, I think about moving away from this town.
比べてみよう
[ごとに]
繰り返される特定の区切りや、単位ごとに何かが起こったり変化が起きたりするときによく使われます。客観的なニュアンスのものを表します。
[例]
このイベントを開くごとにお客さんが増えていっています。
Every time we hold this event, the number of attendees increases.
⇒ イベントを繰り返し開くとお客さんが増えていきます。
彼はお酒を飲むごとに陽気になっていきます。
Every time he drinks alcohol, he becomes more cheerful.
⇒ お酒を繰り返し飲んで陽気になっていきます。
[たびに]
定期的にすることではないけど、あることをするといつも同じことが起こるときに使われます。
これは主観的なニュアンスが含まれ、特に後ろの文には話し手の感情を表す言葉が使われることが多いです。
そのため、次のような動詞のあとに話し手の感心やあきらめの気持ちなどが続きやすいです。
例:行く、来る、見る、会う、帰る、話す、食べる など
[例]
彼に会うたびに好きになっていきます。
Every time I see him, I like him more.
息子さんはいつもやさしいですね。会うたびに感心します。
Your son is always kind. Every time I see him, I’m impressed.
山田君は何も手伝ってくれないので、一緒に仕事するたびに疲れてしまいます。
Yamada never helps, so every time we work together, I get exhausted.
まとめ
[ごとに]
- 単位と一つのまとまりを表す言葉と使われる。
- そして客観的な意味合いとして繰り返される特定の区切りや単位ごとに、何かが起こったり変化が起きたりすることを表す。
[たびに]
- 定期的もしくは不定期的に起こることを表す言葉と使われる。
- そして定期的にすることではないけれど、あることをするといつも同じことが起こるときに使われる。
- 後ろの文には話し手の感情を表す言葉が使われ、主観的なことを表すことができる。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. ごとに
テストは3か月ごとにあります。
The test is held every three months.
*時間を表す単位が使われているので「ごとに」が正解です。
A. たびに
台風のたびに電車が止まります。
Every time there’s a typhoon, the trains stop.
*不定期に起こる出来事(台風)なので「たびに」が正解です。
A. ごとに
飛行機が上へあがるごとに空気がうすくなる。
The higher the plane goes, the thinner the air becomes.
*客観的なこと、飛行機が繰り返し上へあがっていく様子などから「ごとに」がふさわしいです。
A. たびに
高校の友だちと話すたびになつかしい気持ちになる。
Every time I talk to my high school friends, I feel nostalgic.
*後ろに「懐かしい気持ち」という主観的な感情が伴っているので「たびに」が正解です。
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My tutor said these two grammar points are the same, but now I know they are actually different. I learned a lot from this!Thank you!
Thank you for your comment! We’re glad the article could help clarify the differences for you. Keep up the great work with your studies!