JLPT N3 文法 4種類の「〜によって」
目次
1. 4種類の「〜によって」
2. 原因・理由
3. 手段・方法
4. 受身の動作主
5. 対応
6. まとめ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「〜よって」の使い方がたくさんあってよくわかりません
A: N3で扱われる「によって」は4種類あり、意味はそれぞれ異なります。
[原因・理由]
[意味]
Aが原因で、Bという結果になった
[ルール]
[N] 名詞+によって
*文脈で「により・による+名詞」も使われる
[例]
台風によってたくさんの建物が壊れました。
A lot of buildings were destroyed by the typhoon.
いじめによって学校に通えない生徒が増えています。
The number of students who cannot attend school due to bullying is increasing.
地震により多くの人が亡くなりました。
Many people died as a result of the earthquake.
事故による影響は大きかったです。
The impact of the accident was significant.
書き言葉で使われることが多く単純な原因や理由には使われません。
[例]
大きな地震によってたくさんの人が家を失くしました。
A lot of people lost their homes due to the large earthquake.
⇒ 地震が原因で人が家を失くすという結果になりました。
〇 今日はねぼうしたから朝ごはんを食べる時間がありませんでした。
× 今日はねぼうしたことによって、朝ごはんを食べる時間がありませんでした。
I overslept today, so I didn’t have time to eat breakfast.
[手段・方法]
[意味]
Aという手段・方法を使って
[ルール]
[N]名詞+によって
*文脈で「により・による+名詞」も使われる
[例]
インターネットによってたくさんの情報を知れるようになりました。
Thanks to the internet, we are now able to access a lot of information.
早く寝て起きることによって健康になるでしょう。
By going to bed and waking up early, you will likely become healthier.
ある調査によって日本人の睡眠時間は短いことがわかりました。
A certain study revealed that Japanese people have short sleep durations.
ボランティアに参加することによって、たくさんのことを学ぶことができました。
By participating in volunteer work, I was able to learn a lot.
同じように手段・方法を表す「~で」と置き換えることができます。書き言葉で使われることが多く、単純な道具や手段などには使われません。
[例]
インターネットによって良い情報も悪い情報も簡単に知れるようになりました。
Thanks to the internet, we are now able to easily access both good and bad information.
⇒ インターネットという手段・方法で情報を知れるようになりました。
〇タクシーで駅へ行きました。
× タクシーによって駅へ行きました。
I went to the station by taxi.
[受身の動作主]
[意味]
AにBされる
[ルール]
[N] 名詞+によって
[例]
多くの専門家によって人類の誕生の秘密が調べられています。
Many experts are studying the secrets of the birth of humanity.
「雪国」は川端康成によって書かれた小説です。
“Yukiguni” is a novel written by Yasunari Kawabata.
この古い建物は市民によって守られています。
This old building is being preserved by the citizens.
このバッグは人気のモデルによってデザインされました。
This bag was designed by a popular model.
受身の文と一緒に使われ、受身同士の動作の主体を表します。同じように動作主を表す「~に」がありますが、何かを生み出すことを表す動詞には「によって」を使うことでその動作主に焦点を当てることができます。
例:かく・作る・建てる・発見する・発明する・翻訳する
[例]
二条城は徳川家康によって建てられました。
Nijo Castle was built by Tokugawa Ieyasu.
⇒ 二条城より徳川家康に焦点が当たっています。
人から受けた行為や迷惑に感じたことの受身表現では「~に」を使うので注意しましょう。
〇 先生に褒められました。
× 先生によって褒められました。
I was praised by my teacher.
〇 女の人に足をふまれました。
× 女の人によって足をふまれました。
A woman stepped on my foot.
[対応]
[意味]
Aに対応してBが違う・変わる・異なる
[ルール]
[N] 名詞+によって
*文脈で「により・による+名詞」も使われる
[例]
天候によってイベントが中止になるかもしれません。
The event may be canceled due to the weather.
人により考え方は色々あります。
Opinions vary from person to person.
京都の季節による風景の変化はすばらしいものです。
The seasonal changes in Kyoto’s scenery are magnificent.
国によって食事のマナーはちがいます。
Table manners differ depending on the country.
さまざまな種類や可能性を表す名詞につながり、「それが変わると後ろの事柄もそれぞれに違ったり変わったりする」と言いたいときに使われます。
[例]
このホテルは部屋によってデザインが違います。
The design of each room in this hotel is different.
⇒ それぞれの部屋がそれぞれのデザインをもっています。
対応の「〜によって」と「〜によっては」の違いはこちらの記事をどうぞ!
まとめ
N3で扱われる「によって」は「原因・理由」「手段・方法」「受身の動作主」「対応」の4種類ある。
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