JLPT N5語彙「大きい」と「大きな」の違い
目次
1. 「大きい」と「大きな」の違い
2. 大きい
3. 大きな
4. 3つの違い
5. 比べてみよう
6. まとめ
7. クイズ
8. 関連記事
9. コメント
Q:「大きい」と「大きな」は同じですか?
A: この2つは意味にあまり違いがないときとそうでないときがあります。
大きい (JLPT N5)
[使い方]
具体的な大きさを表すときに使います。名詞をし述語として使うことができます。
[ルール]
Nは大きい/大きくない/大きかった/大きくなかった
大きいNだ
[例]
あの犬はとても大きいです。
That dog is very big.
昨日食べたステーキはとても大きかったです。
The steak I ate yesterday was very big.
このりんごはあまり大きくないです。
This apple is not very big.
たんじょう日に大きいケーキを食べました。
I ate a big cake on my birthday.
大きな (JLPT N5)
[使い方]
抽象的な大きさを表すときに使います。名詞を修飾しますが述語として使えません。
[ルール]
大きなN
*活用はありません。
[例]
あそこに大きな犬がいます。
There is a big dog over there.
いつか大きな家に住みたいです。
I want to live in a big house someday.
わたしは大きな夢を持っています。
I have a big dream.
マリアさんは大きな声で笑いました。
Maria laughed in a loud voice.
3つの違い
大きく分けると3つの違いがあります。
①「大きい」には時制の活用がありますが、「大きな」にはありません。
[例]
あの犬はとても大きいです。
That dog is very big.
あの犬は大きくないです。
That dog is not big.
昨日行った公園は大きかったです。
The park I went to yesterday was big.
昨日行った公園は大きくなかったです。
The park I went to yesterday was not big.
②「大きい」は述語として使えますが、「大きな」はできません。
[例]
× あの犬は大きなです。
◯ あの犬は大きいです。(述語)
That dog is big. (Predicate)
③「大きい」と「大きな」は名詞を修飾することができます。
視覚的なものに対してはどちらを使ってもかまいません。
[例]
◯ 三重県に大きい神社があります。
◯ 三重県に大きな神社があります。
There is a big shrine in Mie Prefecture.
ただし目に見えない抽象的なものを表すときには「大きな」使われます。
[例]
彼女には大きな夢があります。
She has a big dream.
台風による大きな被害は深刻です。
The large damage caused by the typhoon is severe.
彼の大きな挑戦は多くの人に勇気を与えました。
His big challenge gave courage to many people.
比べてみよう
それではもう少し細かな違いを考えてみましょう。
「大きい」は具体的、「大きな」は抽象的な感覚を表現します。そのため次のような場合は「大きな」とほうが聞き手に少し柔らかく伝えることができます。
[例]
すみませんが、あまり大きい声で話さないでください。
すみませんが、あまり大きな声で話さないでください。
Excuse me, but please don’t speak in such a loud voice.
また「大きい」は物理的な大きさ、「大きな」は感覚的な大きさを表します。この点を考えながら次の例を見るとどのような違いを感じるでしょうか。
[例]
①たしかあそこに大きい川があるんですよ。
②たしかあそこに大きな川があるんですよ。
I’m pretty sure there’s a big river over there.
⇒ ①の場合、話し手は川の具体的で物理的な大きさを指していますが、②の場合は話し手の川の印象や大きさを感覚的に話しています。
次のような場合どちらを使うかは「声」や「その状況」をどう伝えたいかによって変わります。
[例]
①スピーチでの彼女は大きい声は多くの人に届きました。
Her loud voice during the speech reached many people.
②スピーチでの彼女は大きな声は多くの人に届きました。
Her strong voice during the speech reached many people.
⇒ ①の場合は声の音量を指しています。声の大きさが十分でたくさんの人が問題なく聞けたことをあらわしています。
一方で②の場合は「存在感・心から伝えようとする気持ち」など抽象的なことも含まれています。それが多くの人の心に届いたというニュアンスで伝わります。
まとめ
[大きい]
- ①時制の活用がある。
- ②名詞を修飾でき述語として使える。
- ③視覚的で物理的な大きさを表す。
[大きな]
- ①時制の活用がない。
- ②名詞を修飾できるが述語として使えない。
- ③抽象的で感覚的な大きさを表す。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 大きい
そのバッグ、大きいしかっこいいね。
That bag is big and cool.
*述語として使われているので「大きい」が正解です。
A. 大きな
この物語は大きな感動を与えました。
This story gave a great impression.
*「感動」は抽象的なことなので「大きな」がふさわしいです。
A. どちらでもいい
公園に大きい木があります。
公園に大きな木があります。
There is a big tree in the park.
*名詞を修飾しているのでどちらも正解です。
A. 大きかった
昨日食べたケーキはとても大きかったです。
The cake I ate yesterday was very big.
*形容詞として活用しているので「大きかった」が正解です。
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