JLPT N5語彙 「分かる」と「知る」の使い方

目次
1. 「分かる」と「知る」の使い方
2. 分かる
3. 知る
4. まとめ
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6. コメント
Q:「分かる」と「知る」の使い方のルールがよく分かりません。
例えば、なぜ「知っていない」はだめですか?
A:「分かる」と「知る」の使い方は、時制に影響されます。
それぞれ詳しく見てみましょう。
分かる (JLPT N5)
[意味]
基本的な意味は過去の経験や持っている知識から、あいまいなことを明確にするということです。
この動詞(原型)が示せる時点は「現在・未来」の両方です。
[例]
日本語が分かりますか。
Do you understand Japanese?
⇒ 現時点であなたがもっている知識で日本語が理解できるかということです。
大人になったら時間の大切が分かりますよ。
When you become an adult, you will understand the importance of time.
⇒ 色々な経験をし大人になることで、時間がどれほど大切かを理解できるようになるということです。
[分かる・分かった]
では、まず基本の形(原型)から考えてみましょう。
「分かる・分からない」が示すのは「現在・未来」です。
[例]
A:考えるのやめた!この問題、全然分からないよ。(現在)
B:今やめるとずっと分からないよ。(未来)
A: I give up! I don’t understand this question at all. (Present)
B: If you give up now, you’ll never understand it. (Future)
「分かった」は、完全に過去、もしくは現在のその瞬間を示します。
[例]
昔は数学がよく分かったのに、今は全然分からないよ。(過去/現在)
I used to understand math well, but now I don’t understand it at all. (Past/Present)
Q:ねえ、この問題、分かる?(現在)
A:んー...あ、分かった!(現在の瞬間)
Q: Hey, do you understand this problem? (Present)
A: Hmm… Oh, I got it! (Present moment)

[分かっている]
実は日常の会話では「分かっている」という言い方が存在します。
「分かる」を使うとき、は話し手の時間は「今」もしくは「未来」に焦点があります。
しかし「分かっている」というと「過去のある地点から現在まで」の時間を指しています。

つまり「分かっている」は過去のある時点で経験や知識を得て「すでによく分かる」状態を表しています。
そして、その経験や知識から、現在の状況を比べていることになります。
[例]
(警察が犯人についてたくさん調べて、いま話をしている)
警察:もう本当のことは分かっているから、ぜんぶ話しなさい。
Police: We already know the truth, so tell us everything.
⇒ 警察は犯人と話す前にたくさん調べています。
A:田中さんはいい社員ですね。
B:彼は仕事のことだけではなく、お客様のこともよく分かっているよ。
A: Mr. Tanaka is a good employee, isn’t he?
B: He understands not only the work but also the customers well.
⇒ 田中さんが過去から現在までの経験があって、どんなお客様なのかという知識があります。
(失敗を続ける社員を見て)
全然仕事を分かっていないようですね。もう一度、マニュアルを見てください。
It seems you don’t understand the work at all. Please review the manual again.
⇒ 社員が失敗を続ける様子から、過去から現在まで経験も知識も得ていないということです。
では、どうして最初から「分かっている?」を使わないのでしょうか。
3つ目の例のような状態で、話し手が前からある人の状態を見たり聞いたりしていて質問する場合は不自然ではありませんが、質問する時点では相手の状態を分かることはできません。
そして話し手の焦点は「現在」の状態になり、「分かる?」を使います。また、返事も「現在」の返事なので「分かる」を使います。
[例]
A:ねえ、この問題が分かる?
B:うん、分かるよ。
A: Hey, do you understand this problem?
B: Yes, I do.
知る (JLPT N5)
[意味]
基本的な意味は具体的な情報や知識を受け取るということです。また知識がない状態から人から聞いたり自分で調べたりして、知識がある状態へと変化することも表します。
この動詞(原型)が示せるのは「未来」ですが、否定形になると「現在」になります。
[例]
いつかこの話を知ることになるでしょう。
You will learn about this story someday.
⇒ 将来、この話(の情報)を受け取るかもしれないということです。
魚が好きだからもっと魚の種類を知りたい!
I like fish, so I want to learn more about different kinds of fish!
⇒ いつか魚のことを調べて、その知識を得たいということです。
田中さんという人を知りません。
I don’t know a person named Tanaka.
⇒ 現時点で田中さん(の情報)をもっていないということです。
[知る&知った]
「知る」は「未来」を示す動詞です。「知った」は「過去」のみを示します。
「知らない」は「現在・未来」を示します。

[例]
わたしは田中さんを知りません。(現在)
I don’t know Mr.Tanaka. (Present)
姉が結婚することを先週知りました。(過去)
I found out my sister was getting married last week. (Past)
この秘密をいつか知るでしょう。(未来)
You will learn this secret someday. (Future)
まだ何も知らなくてもいいよ。(未来)
It’s okay if you don’t know anything yet. (Future)
[知った&知っている]
「知っている」というのは過去のある時点で「知った」ことを、現在に至るまで「知っている」状態が続いていることを表します。
「知った」はある地点の過去のみを指すので、相手から情報や知識を聞く場合は、過去から現在までを示す「知っている?」を使います。

[例]
A:田中さんの電話番号いる?
B:うん、知
A: Do you know Mr. Tanaka’s phone number?
B: Yes, I do.
[知し らない&知し っていない?]
「知
つまり過去
そのため情報

まとめ
[分わ かる]
- 「分
わ かる・分わ からない」が示しめ すのは「現在げんざい ・未来みらい 」。 - 「分
わ かった」は完全かんぜん に過去かこ もしくは、現在げんざい のその瞬間しゅんかん を示しめ す。 - 「分
わ かっている・分わ かっていない」は、過去かこ の経験けいけん や得え た知識ちしき から現在げんざい を照らし合て あ わせて、話し手はな て やある人ひと が何なに かをよく理解りかい している状態じょうたい を表あらわ す。
[知し る]
- 「知
し る」は「未来みらい 」を示しめ す。 - 「知
し った」は「過去かこ 」のみを示しめ す。 - 「知
し らない」は「現在げんざい ・未来みらい 」を示しめ す。 - 「知
し る」は過去かこ のある地点ちてん で情報じょうほう や知識ちしき を得え て、「知し った」ことが現在げんざい まで続つづ いている状態じょうたい を「知し っている」で表あらわ す。 - 情報
じょうほう や知識ちしき を過去かこ に得え ていない場合ばあい 、それは「状態じょうたい 化か 」していないので「知し っていない」ということはできない。
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