JLPT N3 文法 – この違い、わかりますか?形容詞の名詞化を徹底解説!

目次
1. 形容詞の名詞化「み」と「さ」の違い
2. 「み」を使った名詞化
3. 「さ」を使った名詞化
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
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8. コメント
Q:「痛み」と「痛さ」のように形容詞を名詞にするとき、二つに違いはありますか?
A: 形容詞を「み」「さ」を使って活用し、名詞化することができますが、この2つの意味のニュアンスには少し違いがあります。
「み」を使った名詞化 (JLPT N3)
[ルール]
[A] い形容詞い+み
[例]
年を取ってひざに痛みを感じるようになりました。
As I have gotten older, I have started to feel pain in my knees.
このいちごは甘みが強いです。
These strawberries have a strong sweetness.
大事な犬を亡くして私たち家族は悲しみの中にいます。
After losing our beloved dog, my family is enveloped in sadness.
肌が乾燥するとかゆみが強くなります。
When my skin gets dry, the itchiness becomes more intense.
「さ」を使った名詞化 (JLPT N3)
[ルール]
[A] い形容詞い+さ
[Na] な形容詞な+さ
*「いい」は「よい」を使い「よさ」になる。
[例]
出産は死にそうなぐらいの痛さでした。
Giving birth was so painful that it felt like I was going to die.
この車のシルエットのかっこよさが好きなんだ。
I love the cool silhouette of this car.
N1に合格した嬉しさは計り知れません。
The joy of passing the N1 exam is immeasurable.
この町の便利さが気に入っています。
I like the convenience of this town.
比べてみよう
基本的には「み」は感覚や性質・特質、「さ」は具体的な程度を表現します。
[例]
年を取ってひざに痛みを感じるようになりました。
As I have gotten older, I have started to feel pain in my knees.
⇒「痛い」という感覚なので「み」が使われます。
出産は死にそうなぐらいの痛さでした。
Giving birth was so painful that it felt like I was going to die.
⇒「痛さ」の程度は「死にそうなぐらい」です。
では、もう少し深く違いを考えてみましょう。
[例]
厚み VS 厚さ
このステーキの厚みはすごいですね。
このステーキの厚さはすごいですね。
The thickness of this steak is incredible.
この場合、どちらを使っても意味が伝わりますが、微妙な違いがあります。
「厚み」はその肉の性質や特徴を表すので、他の肉と何が違うのかを強調していて、この場合厚みが違うということを伝えています。
一方で「厚さ」は肉の寸法(何センチか)ということを言っています。
[例]
あまみ VS あまさ
このいちごのジュースのあまみが人気です。
The sweetness of this strawberry juice is popular.
ここのジュースはあまさのレベルを変えられます。
You can adjust the level of sweetness in the juice here.
「あまみ」はそのあまい味そのものを、「あまさ」はその味の程度や強さを表します。
実は「み」には使える形容詞に限りがあります。
例えば「長い」は「長さ」とは言えますが「長み」とは言えません。
他にも使えない形容詞の例を確認しておきましょう。
白い・黒い・大きい・かたい・太い・新しい・いい(よい)・悪い・難しい・高い・安い・うれしい・眠い・寒い・暑い・冷たい・熱い・忙しい・おいしい・しょっぱい・すっぱい
「さ」は「み」に比べると制限は少ないです。
ただ、注意しなければいけないのは感覚であっても一部の感覚を表す動詞は「さ」で表されることです。
[例]
このうれしさは言葉では表現できません。
This happiness cannot be expressed in words.
眠さががまんできなくて昼寝をしました。
I couldn’t bear the sleepiness and took a nap.
今年の寒さは去年よりましです。
This year’s cold is better than last year’s.
まとめ
「み」を使った名詞化
- 「感覚・性質や特質」を表す。
- 使える形容詞に制限があるので注意。
「さ」を使った名詞化
- 具体的な「程度や強さ」を指す。
- 使える形容詞に制限はあまりないが、一部の感覚を表す動詞は「さ」で表されることがある。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 上手さ
マリアさんのピアノの上手さには誰もかないません。
No one can match Maria’s piano skills.
*「上手」には「さ」だけが使えるので「上手さ」が正解です。
A. 長さ
そのスカートの長さ、短すぎるんじゃない?
Isn’t that skirt too short?
*スカートの丈の程度を言っているので「長さ」が正解です。「長み」という言葉はありません。
A. 悲しみ
ときには悲しみを感じることも大切です。
Sometimes it’s important to feel sadness.
*「感じる」というのは感覚なので「悲しみ」がふさわしいです。
A. 重み
先生はいつも重みのある言葉をおっしゃいます。
The teacher always speaks words with weight.
*物質的な「重い」ではなく、「言葉」を指しており抽象的なことなので「重み」が正解です。
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