JLPT N5 語彙 「くらい」と「ころ」の違い

目次
1. 「くらい」と「ころ」の違い
2. くらい/ぐらい
3. ころ/ごろ
4. くらい VS ころ
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「くらい」と「ころ」は使い分けが必要ですか??
A: この2つはどちらも程度を表す副詞です。
同じような意味合いとして使われることも多いかと思いますが、実際のところは意味や使い方に少し違いがあります。
くらい/ぐらい (JLPT N5)
[使い方]
大まかでだいたいの量、大きさ、時間などの規模や程度を表す。
「くらい」と「ぐらい」はどちらを使ってもよいが、
名詞・代名詞・数詞などの体言につながる場合は「ぐらい」、
動詞・形容詞・形容動詞などの用言につながる場合は「くらい」と発音する場合が多い。
[例]
千円ぐらいでプレゼントを買おう。
Let’s buy a present for around 1000 yen.
今日は5キロぐらい走りました。
I ran about 5 kilometers today.
今朝は7時ぐらいに起きました。
I woke up at around 7 o’clock this morning.
「だいたい同じ」という意味で「同じくらい/ぐらい」もよく使われるので覚えておきましょう。
* この場合「ころ/ごろ」と置き換えはできません。
[例]
彼とわたしは背が同じくらいです。
He and I are about the same height.
ころ/ごろ (JLPT N5)
[使い方]
ある決まった時期や時間の前後を大まかに指す。
「ころ」と「ごろ」はどちらを使ってもよいが、
名詞や数詞に直接つながる場合は「ごろ」、「名詞+の」につながる場合は「ころ」と発音する場合が多い。
[例]
7時ごろにここを出よう。
Let’s leave here around 7 o’clock.
この建物は1800年ごろに建てられました。
This building was constructed around 1800.
今日は6時ごろに仕事が終わりました。
Today, work finished around 6 o’clock.
また、この言葉はある一定の時期や時間の意味を指すので、「学生・子供・若い」など、ある一定の時期を示す言葉ともよく一緒に使われます。
* この場合「くらい/ぐらい」と置き換えはできません。
[例]
学生のころによく行ったカフェが閉店したそうです。
It seems that the cafe I used to go to often when I was a student has closed down.
子供のころはよく兄とけんかしたものです。
I often fought with my older brother when I was a child.
若いころはよく海外旅行をしました。
I used to travel abroad frequently when I was young.
くらい VS ごろ
「くらい/ぐらい」は「約・だいたい・おおよそ」と同じ意味で、数量や程度などを比較的幅広く示します。
一方で「ころ/ごろ」は時期や時間の範囲を表し、時刻や時期をぼんやりと指します。
どちらも数量詞と合わせて使いますが、「くらい」は量・大きさ・時間などの幅広い数量詞と使えるのに対して、「ころ」はある決まった時期や時間の言葉と使われ、やや限定的です。
下の表を見てどのような数量詞と組み合わせられるか見てみましょう。
数量詞 | くらい/ぐらい | ころ/ごろ |
---|---|---|
時 | ◯ | ◯ |
分 | ◯ | ◯ |
時代 | ◯ | ◯ |
円 | ◯ | X |
助数詞(+目) | ◯ | X |
時間 | ◯ | X |
度 | ◯ | X |
次に「くらい/ぐらい」と「ころ/ごろ」が何を示しているのかも考えてみましょう。
[例]
5分ぐらい待ってください。
Please wait for about 5 minutes.
⇒ 時間の量を示しています。「約5分」という意味です。
10時ぐらいに会いましょう。
Let’s meet around 10 o’clock.
⇒ だいたい10時という意味で、前後の範囲はやや幅広く聞こえます。
10時ごろに会いましょう。
Let’s meet around 10 o’clock.
⇒ 具体的な時刻を示しつつ、ぼんやりと表しています。「ぐらい」に比べ前後の範囲は少し狭く聞こえます。
この建物は1800年ぐらいに建てられました。
This building was built around 1800.
⇒ 1800年代全体を大まかに指して話しています。
この建物は1800年ごろに建てられました。
This building was built around 1800.
⇒ だいたい1800年のあたりを指して話しています。
まとめ
くらい/ぐらい
- 量・大きさ・時間などの幅広い数量詞に使うことができ、その程度が比較的幅広い概念で示されます。
ころ/ごろ
- ある時期や時間の少し狭い範囲をぼんやりと指します。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. くらい
この服は1万円くらいでした。
This outfit was about 10,000 yen.
*数量詞が「円」なので「くらい」が正解です。
A. ころ
子供のころはよく川に遊びに行きました。
When I was a child, I often went to play by the river.
*「子供のころ」という決まった言葉なので「ころ」が正解です。
A. ぐらい
あこれと同じぐらいの大きさのかばんがほしいです。
I want a bag about the same size as this one.
*前に「同じ」という言葉があるので「ぐらい」が正解です。
A. ころ
若いころ父はかっこよかったです。
When my father was young, he was cool.
*「若いころ」という決まった言葉なので「ころ」が正解です。
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