JLPT N3・N4 語彙 「間違う」と「間違える」の違い

目次
1. 「間違う」と「間違える」の違い
2. Aを間違う
3. AとBを間違える
4. 比べてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連記事
8. コメント
Q:「間違う」と「間違える」に違いはありますか?
A: 「間違う」と「間違える」には微妙な違いがあります。
ポイントを知れば使い分けることができるでしょう。
Aを間違う (JLPT N3)
Aには正しい状態があるにも関わらず、そうなっていないときに使われます。
話し手の焦点は「誤ったもの自体」に向いています。
[例]
間違った道を歩いていました。
I was walking on the wrong path.
⇒ 正しい道があるのに誤った道を歩いています。
答えを間違った!
I got the answer wrong!
⇒ あるべき正解から外れたことを表しています。
AとBを間違える (JLPT N3)
AとBの2つのものを取り違えたときに使われます。
話し手はAとBのどちらかが正しいであろうことを前提に、自分が誤ったほうを選んでしまったことについて言及しています。
[例]
くつの右と左を間違えているよ。
You’re mixing up the right and left shoes.
⇒ くつの左右を取り違えています。
間違えた道を歩いているから戻ろう。
Let’s turn back because we’re on the wrong path.
⇒ 2つあったうちの誤った道を歩いています。
答えを間違えないように気をつけよう。
Be careful not to get the answer wrong.
⇒ 自分が誤った答えを選ばないようにします。
比べてみよう
「間違う」には「正しい状態から外れた」という意味があります。
そのため、道義的な概念から外れたものついて言及するときには、こちらが使われます。
[例]
間違った選択をすると人生が台無しになりますよ。
If you make the wrong choice, it can ruin your life.
⇒ 道義的に考えて正しくない選択をする場合を表しています。
間違った生き方をしないようにと両親に言われています。
My parents always tell me not to live the wrong way.
⇒ 人として正しい道から外れることについて表しています。
それに対して、明らかに2つの正誤対象のものが存在するのに、取り違えた場合には「間違える」が使われます。
[例]
名前を間違えられたので正しい名前を伝えました。
My name was mistaken, so I provided the correct one.
⇒ 確実に正しい名前はあるので「間違えた」が使われます。
電車を間違えました。
I got on the wrong train.
⇒ 正しい行き先に向かう電車と誤った電車を取り違えました。
スピーチで言葉を間違えて恥ずかしかったです。
I was embarrassed because I used the wrong words in my speech.
⇒ 本当は言うべき言葉がありましたが、誤ったほうを言ってしまいました。
まとめ
間違う
- 正しい状態があるにも関わらず、そうなっていないときに使われる。
- 話し手の焦点は「誤ったもの自体」に向いている。
間違える
- 2つのものについて取り違えたときに使われる。
- 話し手は正しいものがあったであろうことを前提に、自分が誤ったほうを選んでしまったことを表している。
クイズ
次の文を読んで、( )から文脈に合った表現を選んでください。
問題をクリックすると答えが表示されます。
A. 間違えて
社長の名前を間違えて何度も謝りました。
I apologized many times for getting the president’s name wrong.
*正しい名前があるので「間違えて」がふさわしいです。
A. 間違えて
注文を間違えて別の料理を出されました。
The wrong dish was served because the order was mixed up.
*正しい注文と取り違えているので「間違えて」がふさわしいです。
A. 間違った
あのとき間違った選択をしなくて良かった。人生がいい方向に進んでいる。
I’m glad I didn’t make the wrong choice back then; my life is heading in a good direction.
*「人生」についての道義的な話をしており「間違った」がふさわしいです。
A. 間違った
間違った時間に出勤して、まだ誰も来ていなかった。
I arrived at work at the wrong time, and no one else was there yet.
*「時間」そのものについて話しているので「間違った」がふさわしいです。
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