JLPT N3・N4語彙 「特に」と「別に」の違い

目次もくじ

1. 「特とくに」と「別べつに」の違ちがい
2. 特とくに
3. 別べつに
4. 比くらべてみよう
5. まとめ
6. クイズ
7. 関連かんれん記事きじ
8. コメント

Q: 「特とくに」と「別べつに」は同おなじ意味いみで使つかって大丈夫だいじょうぶですか？

A: まず簡単かんたんにこの2つの意味いみを比くらべてみましょう。

「特とくに」は「普通ふつうとは違ちがって特別とくべつに何なにかが違ちがう」という意味いみをもち、AとBを区別くべつする場合ばあいに使つかわれます。

その一方いっぽうで「別べつに」は「取り立と　たてて言いわなくてもいい」「特別とくべつなものではない」というような意味いみをもち、基本きほん的てきには否定ひてい形けいと一緒いっしょに使つかわれます。

では次つぎに例文れいぶんを使つかってそれぞれの意味いみを詳くわしく考かんがえてみましょう。

特とくに (JLPT N4)

[特とくにNは～だ]
ある同おなじことを比較ひかくしながら、特とくに1つ違ちがったものを表あらわす場合ばあいに使つかいます。

[例れい]
今年ことしの夏なつは特とくに暑あつかったですね。
This summer was particularly hot, wasn’t it?
⇒ 他ほかの年としの夏なつと比くらべても今年ことしがとても暑あつかった、他ほかの夏なつとは違ちがったことを表あらわします。
　
このクラスの学生がくせいは日本にほん語ごが上手じょうずだけど、特とくにトーマスさんの日本にほん語ごはすばらしいです。
The students in this class are all good at Japanese, but Thomas’s Japanese, in particular, is excellent.
⇒ みんな上手じょうずだけど、トーマスさんとは他ほかの生徒せいととは違ちがうことを表あらわしています。

別べつに (JLPT N3)

[別べつに～ない]
否定ひてい形けいと一緒いっしょに使つかい、あることが「取り立と　たてて言いうことではない」ことを表あらわします。

[例れい]
A：今日きょう、何なにか用事ようじある？
B：別べつに（用事ようじは）ないよ。
A: Do you have any plans today?
B: Not really, no plans.
⇒ 特別とくべつに伝つたえるような用事ようじはないことを表あらわしています。

A: 「もしもし？ ゆみさん、元気げんき？」
B: 「うん、元気げんきだよ。どうしたの？」
A: 「別べつに何なにもないんだけど、元気げんきかなと思おもって。」
A: Hello? Yumi, how are you?”
B: Hi, I’m good. What’s up?”
A: Oh, nothing really. I just wanted to check in and see how you were doing.
⇒ 特別とくべつに伝つたえたいことがあって電話でんわしたわけではないことを表あらわしています。

比くらべてみよう

実じつは「特とくに」も否定ひてい形けいと使つかわれることも多おおく、言いい換かえをしてもそこまで大おおきな違ちがいはありません。

[例れい]　
◯ 特とくに用事ようじもないし、今日きょうはうちでゲームしよう。
◯ 別べつに用事ようじもないし、今日きょうはうちでゲームしよう。
There’s nothing particular to do, so let’s play games at home today.

しかし、話し手はな　てが強つよく否定ひてい的てきな気持きもちを持もつ場合ばあいは、やはり「別べつに～ない」を使つかったほうがネガティブなニュアンスは強つよまります。

[例れい]　
あんなやつ、別べつに好すきじゃないし。
I don’t particularly like that guy.

こんなまずいもの、別べつに食たべなくてもいいよ。
I don’t need to eat something this terrible.

「別べつに」＝「興味きょうみがない」「どうでもいい」！？

「別べつに」は基本きほん的てきに否定ひてい形けいと使つかわれることから、聞きき手てにネガティブに伝つたわる可能かのう性せいもあります。
　
[例れい]　（仕事しごとの場面ばめんで）
A：なにか質問しつもんはありますか。
B：特とくにありません。
C：別べつにありません。
A: Do you have any questions?
B: No, nothing in particular.
C: Nothing really.

この場合ばあい、どちらを使つかっても大丈夫だいじょうぶではありますが「別べつに」を使つかうと、質問しつもんをすることすら興味きょうみがないように感かんじられてしまうかもしれません。そのため「特とくに」を使つかったほうが無難ぶなんと言いえるでしょう。

またカジュアルな場面ばめんでは、相手あいての質問しつもんに対たいして否定ひてい文ぶんを省略しょうりゃくして「別べつに」だけが返事へんじとして使つかわれることが多おおいですが、このとき冷つめたく言いってしまうと「どうでもいい」「興味きょうみがない」という伝つたわり方かたになってしまいます。

[例れい]　
A：学校がっこうは楽たのしかった？
B：別べつに。
A: Did you enjoy school?
B: Not really.

まとめ

• 「特とくに」は、他ほかと区別くべつをして「特別とくべつに」何なにかが違ちがうことを強調きょうちょうするときに使つかう。
• 「別べつに」は否定ひてい形けいと使つかわれて「取り立と　たてて言いうことではない」というニュアンスを出だす。
• 「別べつに」だけで使つかう場合ばあいは「どうでもいい/興味きょうみがない」という意味いみ合あいを含ふくむので注意ちゅうい。

クイズ

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